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DEVELOPMENT NOTE

制作ノート: シューティングの難易度調整で考えたこと

難しいことと、理不尽であることは同じではありません。VOID STRIKERで敵配置、予告、当たり判定、段階的な強化を調整するときに置いた判断基準をまとめます。

シューティングの難易度は、敵の数や弾速だけでは決まりません。同じ弾幕でも、発射前に危険が読めるか、自機の当たり判定を把握できるか、失敗後に次の改善点が見えるかで、受け取られ方は大きく変わります。VOID STRIKERでは、被弾した瞬間に「なぜ当たったか」を説明できる状態を目標にしました。

VOID STRIKERのステージ1、コンボ倍率が上がった状態のプレイ画面
同じくステージ1、高コンボ時のプレイ画面。SCORE 0105030、コンボ倍率x12、GRAZE 8/10を表示している。

「公平な死」を確認する四つの質問

テスト中に被弾したら、単に難しいと記録するのではなく、次の四点に分けます。

  1. 危険が来る方向を、発射前または十分遠い位置で認識できたか。
  2. 見えてから回避を始めても、操作上は間に合う余地があったか。
  3. 敵弾、背景、演出、自機の色が重なって判別しにくくなかったか。
  4. 同じ場面を再挑戦したとき、別の行動で避けられると理解できたか。

四つ目が特に重要です。回避可能でも、正解が偶然にしか見つからない配置は学習につながりません。一方、発射位置や直前の動きから安全地帯を予測できれば、失敗は次の入力を変える材料になります。難易度を下げるのではなく、判断に必要な情報を先に渡す考え方です。

予告は時間だけでなく、形と音でも伝える

狙撃のような高速攻撃は、弾を遅くするだけでは個性が失われます。そこで発射前の照準、敵の停止、色の変化などを使い、危険な直線を先に示します。VOID STRIKERの仕様では、狙撃の予告時間は0.6秒で固定し、後半ステージでも短縮しません。ステージが進むほど通常弾の速度や発射頻度は上がりますが、読み取るための基礎時間は残す設計です。

予告を増やしすぎると画面が別の情報で埋まるため、強い攻撃ほど明確に、通常弾は軌道そのもので伝えるよう役割を分けます。効果音も同様です。すべてを大きな警告音にせず、ボス移行や特殊攻撃など、画面を見ていない一瞬にも判断が必要な場面へ絞ります。

当たり判定は見た目より小さくても、曖昧にしない

自機の絵全体を当たり判定にすると、翼の先をかすめた弾で被弾し、密度の高い弾幕を抜ける楽しさが損なわれます。VOID STRIKERでは、エンティティを円として扱い、位置と半径で衝突を判定します。重要なのは半径を小さくすることだけでなく、プレイヤーが基準点を見失わないことです。低速移動中に細かな位置調整がしやすいことも、狭い隙間を自分の操作で抜けるための手掛かりになります。

調整時は、静止画で弾と自機が重なって見えるかではなく、実際の速度で「中心をどこへ運べばよいか」が分かるかを確認します。強い発光や画面揺れで中心が隠れる場合は、演出の不透明度や持続時間を下げます。被弾演出を派手にすることより、被弾直前の状況を読めることを優先します。

一度に複数の軸を上げない

敵HP、弾速、発射頻度、出現数を同時に大きく上げると、どの変化が詰まりの原因か分からなくなります。VOID STRIKERでは、有効ステージを8までとして難易度上昇を頭打ちにし、無限進行でも処理量と回避不能化を抑えています。通常敵はステージに応じてHP、弾速、発射間隔、出現数が段階的に変化しますが、同時出現数には48体の上限があります。

実際の調整では、基準となる1面をまず固定し、次の順で一項目ずつ試します。

  1. 敵配置だけを変え、画面内に安全な移動先が残るかを見る。
  2. 弾速を変え、見てから避ける弾と先読みする弾の割合を確認する。
  3. 発射間隔を変え、回避後に位置を戻す時間があるかを見る。
  4. 最後にHPを調整し、危険な敵を優先撃破する判断が機能するかを見る。

数値を上げた結果、プレイヤーが取れる選択肢が一つに減ったなら、別の軸を戻します。難しさの目的は入力を急がせることではなく、複数の危険から優先順位を選ばせることにあります。

ボムとグレイズは難易度の調整弁になる

ボムは単なる残機の代わりではありません。弾幕が重なって安全地帯を失ったとき、プレイヤー自身が配置をリセットする手段です。温存したまま被弾する状況が多ければ、ボムの効果よりも、危険を察知できるタイミングや操作案内を見直します。「当たる直前」ではなく「逃げ道が閉じ始めた時点」で押せる情報が必要です。

グレイズは反対に、危険へ近づく選択へ報酬を与えます。敵弾が自機の近くを通ったことを数え、スコアへ結びつけることで、クリアだけを目指す安全な遊びと、高得点を狙う危険な遊びを同じルール内に置けます。ステージ結果では撃破、グレイズ、ノーミスなどを分けて示すため、プレイヤーは次に伸ばす項目を選べます。

プレイ記録は平均値より「詰まった場面」を見る

クリア率だけでは原因が分かりません。制作時の確認では、被弾時刻、画面上の位置、ボム残数、直前に出た敵の組み合わせを短く記録します。たとえば5回中4回が画面右下で起きたなら、弾速を一律に下げる前に、右へ誘導する敵配置と次のウェーブが重なっていないかを調べます。

初見プレイ、操作に慣れたプレイ、スコア狙いの三条件も分けます。初見で読めず、二回目には避けられる攻撃は学習要素として機能しています。何度試しても同じ場所で選択肢が消えるなら、予告、配置、上限値のどこかを修正します。この切り分けを続けることで、簡単にするのではなく、失敗の理由が見える難しさへ近づけられます。

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この記事について

執筆: rin0420。本サイトで公開しているゲームとツールの開発者です。掲載しているスクリーンショットと数値は、公開中の実物を操作して取得したものです。

公開: 2026年7月14日 / 最終更新: 2026年7月25日(スクリーンショットを追加)